【愛知ご褒美旅行】Part.2 陶器の町への遠き道のり
こんにちは。5月なのにそろそろ扇風機の出番が近づきつつあるくらい暑くなってきました。コロナ対策に加え、熱中症対策も抜かりなくやっていきたいところですね。
さて、今回は「愛知ご褒美旅行編」の2回目となります。Part.1を更新してから2ヶ月以上も間が空いたので自分も内容を忘れつつあるところですが、頑張ってやっていきます。では今回もよろしくお願いします!
【愛知ご褒美旅行】Part.1 人生初のタイムスリップ! - Konpei’s NOTE→前回
愛知県の交通網
2日目の朝、尾張一宮駅前です。一宮市は内陸部ということもあり冷え込みが厳しいです。気温以上の寒さを感じます。
さて、この日は「陶器の町」として知られる瀬戸市の方まで向かうのですが、一宮から乗換案内の通りに行くとこんな感じです。
この通り名古屋で中央本線に乗り換え、大曽根で名鉄瀬戸線に乗り換えるルートが一般的です。このルートでは1時間少々かかります。しかし、私はと言いますと以下の変則的ルートで瀬戸まで向かうのです。
尾張一宮(JR東海道線)→枇杷島(城北線)→勝川(JR中央本線)→大曽根(ゆとりーとライン)→高蔵寺(愛知環状鉄道)→瀬戸市/新瀬戸(名鉄瀬戸線)→尾張瀬戸
と、こんな感じで5回も乗り換えて瀬戸を目指します。所要時間的には2時間20分ほどかかり、通常ルートのほぼ倍の時間がかかります。このルートを設定した理由ですが、以前からネットや動画で「愛知県にはユニークな交通機関が多い」と耳にしていたので、乗り物好きとして一度は利用してみたいという気持ちがありました。
都会の中のローカル鉄道
尾張一宮から名古屋方面へ電車でおよそ15分、枇杷島駅に到着です。ここで城北線に乗り換えます。
城北線はJR東海の子会社である「東海交通事業」のただ一つの鉄道路線です。この路線ができた経緯を説明すると大変ややこしいのですが、元々は東海道本線(枇杷島駅)と中央本線(勝川駅)を結ぶ貨物メインの路線として計画されました。現在もこの2路線を結ぶという話はちらほら出ているようですが、用地などの話が絡みこれまた複雑な話になるので割愛します。気になった方は是非とも調べてみてください。
枇杷島から終点の勝川までの運賃は450円。高いと感じましたが、経営状況を考えると妥当かもしれません。駅名標は親会社であるJR東海のものとそっくりです。
乗車する電車(気動車)が入ってきました。なんと1両です。大都市名古屋の鉄道なのに…
車内はボックスシートの座席です。枇杷島から私以外に乗車された方は2人。このうちのお一人は城北線の1日乗車券らしきものを持っていました。ホームには沿線の観光施設案内も出ていたので、それを巡ったりするのでしょうか。
枇杷島を出て東海道本線と別れ、その先は住宅や工場が立ち並ぶ地域を縫うようにして走ります。線形はほぼ直線なので、かなりのスピードを出していました。
そして、気動車に揺られることおよそ15分で勝川駅に到着です。ここからJRの勝川駅までは連絡通路を通り、徒歩で5分程度かかります。
2枚目の写真、手前の高架が中央本線で奥に見える(階段が見えると思いますが、その辺り)のが城北線の勝川駅です。前述の通り、一つの線路でつながることを見据えて作られたと思われますが、この2つがつながるのはいつになるのでしょうか。
全国的にみてもこんなユニークな交通機関はなかなか見ることはできないと思います。名古屋に立ち寄った際は一度城北線に乗ってみてはいかがでしょうか。
ゆとりーとラインってなぁに?
勝川駅から中央本線で名古屋方面に2駅、大曽根に着きました。ナゴヤドームへの案内がされていますが、徒歩だとここから20分ほどかかるようです。大曽根からは「ゆとりーとライン」というバス路線に乗車します。
このゆとりーとラインですが、ここ大曽根から守山区の「小幡緑地」という駅までは専用道路を走行します。大阪で言うニュートラム、東京で言うゆりかもめで使うような線路をバスが走るのです。路線ですが、大曽根から高蔵寺に向かう系統の他、高蔵寺まで行かずに守山区の志段味で折り返す系統もあります。
バスが来ました。車内は満席に近い状況ですが余裕があります。ほとんどの方は小幡緑地までに降りていきました。ここで痛恨のミス。車内及び車窓の写真が一枚もございません。故に乗車中の雰囲気を伝えられないことをお詫びします…
しかし、バスが電車と同じように動く様には驚くばかりでした。運転士さんも専用道路区間はハンドルに一切触れずにバスを動かしているのです。ちなみに、このバスを運転するには鉄道の運転士免許と大型二種の免許両方を取得していないといけないそうです。二つとも取るのってかなり大変ですよね?
(YouTubeにゆとりーとラインの動画が沢山アップされてますので、動いている様子に興味があれば是非そちらをご視聴ください…泣)
環状しない愛知環状鉄道に乗車
大曽根からおよそ40分で高蔵寺に到着。高蔵寺ちょい手前ぐらいから天気が悪くなってきました。ここからは愛知環状鉄道(以下、愛環)に乗り換えます。「環状」と名がついておりますが、高蔵寺〜岡崎間の運転でぐるりと輪を描くような線形ではありません。
これまた経緯が複雑です。先ほどの城北線よりも複雑なのではと思います。元は岡崎から岐阜の多治見までを結ぶ路線(国鉄岡多線)からきているのですが、それが国鉄の民営化を経て第三セクターに転換され、現在の愛環が設立されました。
車両は色こそ違うもののJR東海で使われているものと似ています。終点の岡崎まで乗りたいところですが、残念ながら二駅だけの乗車です。沿線にはあの天下のトヨタ自動車の本社や工場が並んでいるので、通勤ラッシュ時はかなりの乗車率だそうです。他に大学のキャンパスなども沿線に点在しています。このような企業や学校が数多くあるため、第三セクターとしては珍しく黒字経営が続いているようです。
長閑な風景のの中を走り抜け、高蔵寺から5分ほどで瀬戸市駅に到着。次は最後の乗り換え、名鉄瀬戸線に乗り換えます。
陶器の町、瀬戸を散策
瀬戸市駅から名鉄瀬戸線は新瀬戸駅に乗り換え。駅名こそ違うものの、目と鼻の先の距離にあるので移動時間はそれほどかかりません。
新瀬戸から二駅、ついに終点の瀬戸市駅に到着です。散策を始める前に、駅近くのスーパー「アピタ」で買い物を済ませます。今回初めて行きましたが、系列には「バロー」や「ピアゴ」というスーパーもあるみたいです。複数の階からなるのが「アピタ」で、平屋建てなのが「バロー」「ピアゴ」といった感じに区別するのでしょうか。
瀬戸市駅から歩いて10分のところに「瀬戸蔵」があったので、そこに入ってみます。なんと看板にまで瀬戸焼のプレートがはめ込まれています。
館内に「瀬戸蔵ミュージアム」という施設があるので中に入ると、何十年も前の瀬戸の街並みが再現されています。中にいる人は私含め数人でしたので、ゆっくりと見て回ることができました。
陶器の汎用性は高く、食器をはじめ便器や人形のようなものまで作ることができてしまいます。ちなみに、ここまで陶器のみ表記してきましたが、瀬戸では磁器も生産しているとのことですので「陶磁器」と表記するのが正しいようです。
【瀬戸蔵ミュージアム】入場料:一般520円
さて、瀬戸蔵ミュージアムを後にしまして街をぶらつきます。陶磁器を作っている大きな窯があるということなのでそれを見に行きます。道中には古めかしい工房などが数多く並んでおり、陶器の町らしさを感じます。
瀬戸蔵ミュージアムからかなり歩きましたが、ここが「本業窯」です。全長が14m、幅が7mと窯としてはかなり大きい方ではないかと思います。また、瀬戸では不要になった窯道具で作られた塀や壁である「窯垣」を路地に並べていて、独特の模様を作り出しています。
この他「招き猫ミュージアム」というところもありましたが、そこにはこんなものまで。
陶器でできたであろう巨大な猫がいました。こんなに大きいものも作ることができてしまう瀬戸焼の技術、恐るべしです。
旅は終わりへ
さて、瀬戸の散策を終えついに大阪に帰ります。名鉄瀬戸線に乗車し大曽根へ、そして中央本線に乗り換えて名古屋へ向かいます。名古屋駅構内の「驛麺通り」でラーメンを食べ、新幹線に乗り込みます。
新幹線の車内では瀬戸のアピタで買ったパンを食べたのですが、少し変わったパンでした。
見た目はクリームパンですが、中にはチーズクリームが入っています。生地は普通のパンとほぼ同じですが、確かにチーズケーキ感がありました。この時はまだ親知らずを抜いて1週間ちょっとしか経ってなかったので、ちょっとずつ食べました。
2日目のまとめ
この日はプチ鉄道旅行のような感じになりました。やはり見たことのない景色を見るというのは楽しいなというのが率直な感想です。「乗り物が好き」というよりは「乗り物から見る景色が好き」なので、色々な景色を見ることができて十分に満足できました。「ローカル鉄道の旅」ではないですが、今後も今回のようにあまり知られていない交通機関にどんどん乗ってみたいと考えています。
また今回立ち寄った瀬戸について、伝統工芸の町に行くのはほぼ初めてでしたが、町の至る所に陶器に関するものが散りばめられていたのは圧巻でした。時間が限られていたため忙しないスケジュールでしたが、次行く機会があればさらに足を伸ばして様々な場所へ時間をかけて散策してみたいものです。
最後になりますが、今回の旅は親知らずの抜歯のご褒美的なものとして企画しました。「目標があるから辛いことも頑張ろう」と考えることは非常に大事ですね。今、先の見えないこの情勢で皆さんも辛い思いをされているかと思います。「これを乗り越えて〇〇をする!」という目標や楽しみを作れば目先の困難も乗り越えていけるはずです。私如きが生意気な口を叩ける立場ではありませんが、今出来ることを精一杯やっていきましょう。
それでは、また次回お会いしましょう。ごきげんよう、