【復活の一人旅】神話の国、出雲に行こう!
皆さんこんにちは。いきなり無性に食べたくなる食べ物ってありますよね。今まさにアイスのパピコが食べたい気分です。あと久しぶりにビスコも食べたいですね。なぜグリコの商品ばかりなんでしょう。
いつものくだらん前置きは置いといて、今回は出来立てホヤホヤのネタです。この度、一連のコロナ禍で府県を跨ぐ観光を自粛しておりましたが、「今後このウイルスと共存しなければならない」ということを考え、最大限の感染防止対策を講じながら他地方への旅行を再開しました。
再開の理由として繰り返しになりますが、今後も新型コロナウイルスとは共存しながら生活しなければならないと思います。このようなウイルスにいつまでも怯えての「過度な自粛は良くない」という私自身の考えもありますし、何より自粛期間中に低迷した観光地に足を運び、そこにお金を落とすことで少しでも観光地のお力になればという目的があります。
本編に入る前に、以前説明した外出時の個人ルールについておさらいしておく必要があると思いますので、その説明からさせていただきます。
- 外出には公共交通機関を使うことが多いため、当面は隣接府県の往来のみ。隣接府県でも基準を100kmとし、100kmを超える移動は状況を見て慎重に判断。
- 7月中旬〜8月上旬にかけて全国的な感染者数の顕著な増加がなければ隣接地方(東海・北陸地方、中国・四国地方)への移動を解禁。
- 電車・バスなど交通機関から降りたら手洗い・うがいを徹底する。消毒液は必携とする。
まず1について。近畿圏内という縛りは解除します。当然100kmという制限も同様です。この結果、少し遅くなりましたが2の段階へ移行することにいたしました。2に記載の地方以外への移動はしばらく様子見とします。また、一番大事な3についてはもちろん徹底して継続します。これに加え、出発前の検温も実施することにします。
長くなりましたね、本編いきます。ちなみに今回は単発ですがかなり長くなりますのでご覚悟を(笑)
半年ぶりの新幹線!
いつもの(?)新大阪駅からスタート。まさかこれほどの間が空くとは思いもしてませんでした。乗り慣れたはずの新幹線ですが、少し緊張していました。新大阪に着く前、地元の駅からJRの駅で乗り換える時に改札機で切符を詰まらせてしまった時は不吉やなあと思いました。
色々ありましたが、無事新幹線に乗り込むことができました。今回は昼出発なので車内で昼ごはんをいただくことに。
ガッツリ中華ですね。やはり電車の中で食べるご飯の味は最高です。普通に食べるより美味しく感じますからね。
1時間ほどで岡山到着。ここからは特急「やくも」に乗り換えます。
西日が眩しいわぁ〜
この見出しの元ネタ知ってる人ってどれくらいいますかね。それは置いといて、特急「やくも」に乗車するのですが、年季の入った車両を使っています。松江から岡山まで乗車したことはありますが、逆方向かつフルで乗車するのは初めてです。
「やくも」といえば、カーブの多い伯備線を疾走することで知られています。私は三半規管の強い人間なので乗り物酔いの心配は一切していませんでしたが、想定外の敵との戦いが待っていました。それが「西日」です。進行方向左側に座っていたのですが、日差しの強いこと強いこと。もちろん車内の空調は効いていましたが、それを打ち消すぐらいの暑さでびっくりしました。「カーテン閉めろ」という話ですが、車窓を見るのが大好きなのでそれはできませんでした。
これに耐えることおよそ3時間、ようやく終点の出雲市に到着です。
飯食って酒飲んで寝る=最高
駅前をブラブラし、ホテルに荷物を置いて夕飯を食べに行きます。
そして駅前にあったお店に入り、「島根牛のどんぶり」をいただきます。
普通の牛丼みたいなものかと思っていましたが、思っていたよりも豪華でした。肉は牛丼で使うようなものではなく、すき焼きで使うような大きく薄いもの。島根牛は初めて食べましたが、口の中で溶けるようでとても美味しいです。また、味噌汁にはしじみがこれでもかというくらいに入っており、島根感が満載の夕飯となりました。
ホテルに帰ってからはお風呂に入り、晩酌の時間です。旅行先で1番の楽しみです。
1杯目はレモンサワー。新大阪で買ったたこ焼き味のじゃがりこ(関西限定)をつまみながらゆったりのんびり。至福の時ですね。
そして、このホテルではこんな素晴らしいものが出されていました。
宿泊者に無料でサービスのラーメンです。しょうゆと味噌の2種類があり、しかもおかわり自由。その気になれば夕飯代わりにもできてしまいます。非常にシンプルで量も少なめですが美味しかったです。さて、部屋に戻り2杯目です。
松江の地ビール「ビアへるん」。「へるん」というのは一時松江に在住していた小説家・小泉八雲の本名「ラフカディオ・ハーン」から取ったもの。日本では「ハーン」を「ヘルン」とも名乗ることが多かったらしく、この名がついたものかと思います。非常に苦味が効いていて飲み応えがありました。苦味のあるビールの方が好きかもしれません。こちらを飲み干してから就寝。
「ばたでん」に乗って出雲大社へ
翌日。6時半ごろに起床し、1時間ほどで朝シャンと朝食と支度を済ませてチェックアウト。電鉄出雲市駅から一畑電車(通称:ばたでん)で出雲大社へ向かいます。発車ギリギリに乗り込み、途中の川跡駅で乗り換えます。電鉄出雲市から出雲大社前までの直通電車はほとんどないため、注意が必要です。
そして出雲大社前駅に到着。ここには以前活躍していた車両が留置されています。
私が着いた時はまだ中に入ることはできませんでしたが、中には一畑電車を題材にした映画「RAILWAYS」の紹介がされていました。丁度10年前に公開された中井貴一さん主演の映画だそうです。あらすじとしては、50歳目前のサラリーマンが故郷島根に住む母が病気に倒れたことなどをきっかけに帰郷し、第二の人生を一畑電車の運転士としてスタートさせるといったものです。
広すぎ!出雲大社
到着したのは8時ちょっと前ということで、人もまばらでした。人のいない観光地というのは静かで不気味さすら感じます。
鳥居がでかい。後ろに連なる山もいい味を出してますね。この大鳥居から5分ほど「神門通り」を歩きますと、正面玄関的ポジションの「勢溜の大鳥居」が見えてきます。
そしてここからさらに10分ほど歩いてようやく本殿なのですが、道中にもさまざまなスポットがあります。まずはこちら。
「野見宿禰神社」です。「野見宿禰」というのは相撲の始祖と言われ、初めて相撲をとり勝った力士だそうです。その野見宿禰を祀るための神社で、近くには土俵もあります。白鵬関や日馬富士関といった著名な力士もここで土俵入りを果たしたそうです。
また、道中の至る所には神話にも登場する「因幡の白兎」が鎮座しています。
そんな見どころ沢山の参道を抜けると、ついに本殿が見えてきました。来た時に比べ、雲行きが怪しいのが気がかりですがお参りといきましょう。
右の写真の奥に見える建物が本殿で、兜みたいな黒い出っ張りが特徴です。普通、神社を参拝する時は「二礼・二拍手・一礼」なのですが出雲大社は「二礼・四拍手・一礼」です。この時丁度神主さんと思しき方々が朝礼をするためか集合していましたが、やはり四拍手でした。また、毎年5月14日の例祭の日はなんと八拍手もしているとのこと。「8」というのは古くから無限を意味する数字で、神様に対し限りない拍手をもってお讃えする作法とのことです。ただし、普段のお参りではこの半分の四拍手でもお祈りを讃える心に変わりはないとのことです。
ゲリラ豪雨に襲われかける
本殿周辺をを一通り散策し、おみくじを引いて開運のお守りを買ったところで、空の色がシャレにならないレベルの灰色になってきました。急いで雨雲レーダーを起動すると、出雲周辺は真っ赤っか。急いで隣接している「古代出雲歴史博物館」へ。入った時は小雨でしたが、館内のトイレから出てきた時は災害級の豪雨。「バケツをひっくり返す雨」を通り越し、「バケツをぶっ壊すような雨」といったレベルでした。まさに間一髪、まさに首の皮一枚といった感じですね。傘があればよかったのですが、大きなカバンと一緒に折りたたみ傘を出雲大社前駅のコインロッカーに置いてきてしまいました。残念。
スサノオ神話を学ぶ
この古代出雲歴史博物館ですが、出雲大社の歴史はもちろん島根全体の歴史などについても詳しく解説していました。島根は昔から水害に見舞われ続けた地域であり、木綿や製鉄が有名だったというのは初めて知りました。島根といえば正直、この出雲大社としじみと鷹の爪に出てくる吉田くんぐらいしかイメージがありませんでしたが、こういう所に行ってその土地の特徴を知ることができるというのは博物館の魅力だと思います。
また、大昔の出雲大社本殿の模型も展示されていました。長ーい階段を有し、高さが50メートル近くあったというから驚きです。
そして、出雲の歴史を語るに外すことができない神話について勉強する機会がありました。丁度館内の小さな劇場で「スサノオ神話」に関する映像が流れていたのですが、映像は撮ってませんし撮っていたにしても流石に流せないのでざっくりと口下手野郎が解説します。
スサノオ(スサノオノミコト、素盞嗚尊)は父であるイザナギが死者の国(黄泉の国)から帰った後、穢れを落とすため禊をして生まれた「三貴神」の一人。スサノオと共に生まれたのが皆さんも聞いたことがあるであろうアマテラス(アマテラスオオミカミ、天照大神)とツクヨミ(ツクヨミノミコト、月読命)です。父イザナギより海原を治めるよう命じられましたが、母イザナミに会いたいと駄々をこね泣き喚きます(イザナギ一人が産んだのはずなのですが)。これにキレたイザナギが「おまえもうやめろ」とクビを宣告、スサノオは黄泉の国行きを決心。
黄泉の国へ行く前に姉アマテラスに挨拶をしようと高天原(たかまがはら)へ。侵略者が来たと思い込み戦闘態勢に入ったアマテラスに対し、誤解を解くために身の潔白を証明する「誓約」を提案。スサノオはこれに見事成功します。しかし、ここで調子に乗ったスサノオは高天原で大暴れ。田んぼを荒らしたり、ウから始まる汚物を神殿に撒き散らしたりとやりたい放題。これらの行いにアマテラスはブチギレ。最終的にスサノオは高天原を追放されます。
そして、地上へやってきたスサノオは地上で大暴れしていた「ヤマタノオロチ(八岐大蛇)」を退治し、生贄となっていたイナダヒメという若い女性を助け出します。そしてそのイナダヒメと結ばれ、オオクニヌシが生まれるという結末です。
まあ本当にあったかどうかはわかりませんが、「神話」なのでフィクションに近いものがあるのではと思います。しかしスサノオは何を思って汚物を撒き散らしたのか、理解に苦しみますね。
【古代出雲歴史博物館】
常設展のみの観覧:一般620円
※企画展とのセット券もありますが、その都度セット券の価格も変動します。
出雲そばを喰らう
結局、博物館には1時間半ほど滞在しました。博物館を出てからは出雲大社周辺をあてもなくブラブラ。歩くとお腹が空くもので、出雲そばを食べようと有名店「八雲」へ。お昼時でしたが、すんなり席につくことができました。「五色割子」というメニューを注文。山いも、卵、大根、揚げ玉、かつおぶしと器ごとに違う具材がのっており、色々な味を楽しむことができます。
出雲そばは器に蕎麦つゆが入っていません。別でついてくる蕎麦つゆをお好みでかけて、食べ終わってから残ったつゆを次の器に注ぐという食べ方。しかし、各器に残ったつゆが少なすぎて新たに注いでしまいました。コシがあり、そば粉の香りが強く非常に私好みのそばでした。
レトロな旧大社駅を散策
食事の後、次の目的地へ向かうバスの出発時刻までまだ余裕があります。その間、かつて存在した国鉄(現在のJR)の旧大社駅を見物します。
出雲大社の大鳥居から南へ歩くこと10分弱のところにある瓦葺きの大きな建物が旧大社駅です。1912年から78年の間、国鉄大社線の駅として存在し、廃止後の2004年には国の重要文化財に指定されました。駅舎内だけでなくホームにも入ることができ、構内の奥の方には以前大活躍したSL機関車も留置されています。また、駅舎の中には観光案内所も併設されています。
9時から17時まで解放しており、入場料は無料で自由に出入りができます。
青空のもと、日御碕灯台へ!
旧大社駅を出て、一度出雲大社周辺を後にします。次なる行き先は「出雲日御碕灯台」。日本一の高さを誇る灯台です。出雲大社からバスに乗り込みおよそ25分ほどで到着。バスで来る人より車やバイクで来る人の方が圧倒的に多かったようです。また、先程ゲリラ豪雨が降っていた出雲地方ですが、雨はすっかり上がり強い日差しが差し込んでいました。さて、灯台からの景色はどんなもんなのでしょうか。
海と青空をバックにしますと白さがより目立ちます。私が今までに見てきた灯台に比べるとのっぽさんの灯台で、高さが43.65メートル。水面からの高さは63.30メートルと日本一の高さを誇り、設置されてから115年以上もの歴史があります。
また、火曜サスペンス劇場に出てきそうな断崖絶壁と松並木も見ものです。
また灯台は内部に入ることができ、最上部へ上がることもできます。この階段が狭い螺旋階段となっており、120段ほど続きます。暑さも相まってかなりしんどかったです。
しかしここは日本一の高さを誇る灯台。最上部から眺める海岸線がとても美しく、海風が気持ちよく感じました。
【出雲日御碕灯台】中学生以上300円
灯台の上り下りでかなり体力を使ったので、灯台近くのカフェで休憩。アイスティーを飲んで涼みます。一緒についてきた灯台型のクッキーがかわいかったです。
30分ほど休憩してからは少しだけ日御碕神社を覗きに行きます。ここで先ほど出てきたスサノオとアマテラスが祀られています。伊勢神宮が「日本の昼を守る神社」と言われているのに対し、こちら日御碕神社は「日本の夜を守る神社」と呼ばれているそうです。
全体的に赤を基調とした造りとなっていました。出雲では有名なスポットの一つですが、参拝客は私も含め3人ほどでした。出雲大社では「二礼・四拍手・一礼」だったのでこちらでもそれを守るべきなのかと思いましたが、出雲大社の分院でもないので通常通り「二礼・二拍手・一礼」で問題ないようです。
旅の終わり・まとめ
神社を後にし、バスで出雲市駅方面へ戻ります。しかし、ここから出雲市駅方面直通のバスはなく、一度出雲大社近くのバスターミナルで乗り換えしなくてはなりません。25分ほどかけてバスターミナルに戻りましたが、乗り換えの出雲市駅行きのバスは先ほど乗ってきたのと同じバス。地方特有のダイヤなのかもしれませんが、おそらく運転士さんも同じお客さんが一回降りてまた乗ってくるというのは慣れっこなのでしょう。行き帰りどちらも同じ運転士さんのバスって何故か気まずいんですよね…
出雲市駅からは行きと全く同じルートで特に変わったこともなかったので省略としますが、「やくも」の車窓から大山が見えたので最後にその写真をどうぞ。
さてさて、この旅のまとめといきましょう。地方を跨ぐ旅行自体が約5ヶ月ぶりということで、少し実戦感覚ならぬ「旅行感覚」が落ちているなと感じました。なんか終始フワフワしてた感が半端なかったです。また最近よくPRされている「新しい旅のエチケット」を遵守しながらの旅でしたが、特に苦になるようなこともなく十分に楽しめました。今後、感染防止対策をしっかりと取り、周囲への配慮を行いながら今まで行けなかった分しっかりと取り返していこうと思います(笑)
出雲に関してですが、歴史を感じることのできるとても良い街でした。神話というものにはあまり興味がなかったのですが、スサノオ神話を見て少し興味が湧いてきました。また、一畑電車も少ししか乗れませんでしたので、もう少し乗車したかったですね。
という訳で、一人旅復活第一弾でした。9月も東海の某県に行く予定にしておりますのでその様子もまた更新します。
それでは皆さん、また次回お会いしましょう。ごきげんよう!
【情報収集にあたり、参考にしたサイト】