【検証】大阪市スルー!遠回りで堺へGO!
私の自宅は大阪の吹田市というところなんですが、吹田市の中でも大阪市との境に程近い地域にあります。出かける時の最寄り駅も大阪市内に入ったところにあるので、大阪市の存在は日常生活に必要不可欠なのです。ある日、いつものように最寄り駅へ歩いていると一つの疑問が生じます。
「大阪市通らずに堺の方まで行けるんかな?」
本来、堺方面に行くにはJR阪和線か南海線を使うかと思います。それだと1時間かからないくらいで着くことができますが、いずれも私の地元・吹田市から行くには大阪市を通らなければなりません。大阪市を通らずして堺へ向かうことはできるのか。乗り換え案内を駆使した結果、以下のようなルートを導き出すことができました。なお、休みの日に実行するイメージなので、ダイヤ設定は土休日のものとしています。
どうやら鉄道とバスを乗り継げば行けるようです。なお、このルートは筆者が独自に出したルートですので、他のルートは何通りかあると思います。「これ以外のルートでも行けるで」というようであれば、情報をご提供いただきたく存じます。
さて、行けるというのがわかりましたので実際にこのルートをなぞってみましょう。普通に行くより約5倍の時間がかかりますが、筆者は無事に堺に辿り着けるのでしょうか?
遠回りの旅、スタート
出発は筆者の地元・吹田市の主要駅であるJR吹田駅、そして最終目的地は堺市役所の最寄駅である南海高野線の堺東駅とします。また、今回のルートを描写するため、「ルートヒストリー」という位置情報アプリで私の通ったルートをなぞっていきます。
まずはJR吹田から京都方面の電車に乗って茨木へ向かいます。ここまでは余裕のよっちゃんですが、茨木からはしばらくバスの旅となり、電車とは4時間ほどおさらばすることになります。
JR茨木駅の東口からは京阪バスに乗って京阪の寝屋川市駅を目指すわけですが、車内は立つ人が数名いるくらいに混んでました。私は座ることができましたが、運転席から2列ほど後ろにある低い席で外の様子がほとんど見えませんでした。乗り物に乗るときは外の景色を見るのが楽しみの一つなのに、これを奪われちゃたまったもんではありません。
悶々とした気持ちのまま寝屋川市駅に到着。ここで45分ほど空き時間ができました。数少ない貴重な空き時間となるので、トイレを済ませてからサンマルクカフェで紅茶をしばきながらチョコクロを食べました。サンマルクのチョコクロは美味しいので、朝に弱い私でも毎朝食べたいぐらいです。休憩を終えてから今度は四条畷駅行きのバスに乗車、またしても京阪バスです。このバスは先程乗車したバスとは対照的で、5人程度しか乗っていませんでした。時間帯も関係してるのでしょうか。
30分ほどで大東市にあることでお馴染みの四条畷駅に到着。次のバスは近鉄バス、ここから一気に東大阪市に入って東花園駅まで向かいます。このバスは国道170号の旧道を通るのですが、こちらは「都市型酷道」と呼ばれるくらい道幅が狭いことで知られています。センターラインがあるにはあるのですが、大型バスやトラック同士がギリギリ離合できるくらいの幅なのでドライバー泣かせの道になっています。私も何度か自転車でここを通りましたが、自転車や歩行者が通るスペースは申し訳程度しかなく、交通量も多くて走りにくいことこの上なしです。
そんなカオスな道を通り抜け、辿り着いたのは東花園駅。ラグビーの聖地として知られる花園ラグビー場の最寄駅です。ちょっと前まで大阪方面のホームは地上、奈良方面のホームは高架という珍しい構造だったのですが、知らぬ間に高架化工事が完了していました。ちなみに筆者が高校の時、ラグビー場に隣接する陸上競技場で陸上の試合をしたことが何度かあります。
ここで30分ほど休憩を取り、今度は河内山本駅行きのバスに乗り込みます。早くも東大阪市を抜けて八尾市に入りました。東花園駅から30分ほどで河内山本駅前に到着、ここで約4時間ぶりに電車に乗ります。バスから電車となるとなんだか安心しますよね。
河内山本から大和八木方面の電車に乗り、堅下という駅で下車します。堅下駅は他路線との接続駅ではありませんが、ここから10分ほど歩いたところにJRと近鉄の柏原駅があります。そこから乗るのが屈指の短距離路線である近鉄道明寺線です。大都市大阪の路線でありながら、2両編成で昼間の本数は1時間当たり2本。これを少ないと感じてしまうのは都会っ子の性(さが)なのでしょうか。柏原から乗車し、ICOCAを使う方は改札口とホーム上のカードリーダーに2回タッチが必要なのでご注意を。
道明寺線の旅は僅か4分で終了、道明寺駅からは阿倍野橋駅行きの電車で河内松原へ向かいます。こちらも10分ほどの乗車、河内松原からは最後の走者である南海バスに乗り換えます。
始発停留所の河内松原駅前の時点では車内は割と閑散としていましたが、沿線に学校や障がい者施設があるためそこの方が多く乗ってこられました。さらには途中で渋滞があり、思うようにバスが進みません。それでもバスは走り続け、ようやく最終目的地である堺市に突入。定刻から5分ほど遅れて堺東駅前に到着です。
堺東には初めて来ましたが、駅前の再開発があったようで思っていた10倍はきれいで栄えていました。一方で堺東駅自体は地上駅なのでそのギャップにびっくりしました。
旅の振り返り
さて、冒頭で紹介した「ルートヒストリー」でなぞったルートをお見せします。ご覧の通り、大阪市をきれいに囲むような形となりました。
かかった時間と距離もご覧ください。
普通にJRと南海を使えばおよそ50分、26kmほどの移動ですが、大阪市を避けて通るとかなり恐ろしい数字になりますね。しかし、これ以上に恐ろしいのが交通費です。
企画した自分が一番引きました。JRと南海を乗り継いで楽に行けばいいのにその約4倍の交通費がかかります。高いと考えるか安いと考えるかは皆さん次第ですが、私にとっては同じ大阪府内を移動するだけでこれだけかかるのは高いかなと思います。これだけあれば、JR吹田からかなり遠くの方まで行けるのではないでしょうか。
なかなかのバカ企画でしたが、いかがでしたでしょうか。大阪府民にとって大阪市の存在は偉大であることがよくわかったと同時に、たまには遠回りでいつもと違う車窓を眺めながら目的地に行くのも悪くないなと思いました。今後も王道のルートをあえて回避する旅というのを続けて行けたらいいなと思います。